小田原の地魚を知る者にとって、今年の「米神漁場」の名を聞いて、ため息が出ない者はいません。
名前の通り、まさに「海の米の神」が宿っているかのような、奇跡的な安定力。
その小田原魚市場の主役こそが、小田原ブランドの華「小田原アジ」ですが、米神の「アジ」の凄さは、ただたくさん獲れることではありません。彼らの真価は、魚市場の誰もが頭を抱える時にこそ発揮されます。
需要が高まり、他の漁場が空振りしている時、米神の船は必ずと言っていいほど「アジ」を水揚げしてくるのです。まさに「困った時の米神頼み」。そして他の漁場に潤沢にある時には、米神はそこで競い合うことをせず、他に無いようなサイズを持ち帰ってきます。「数」で勝負するときは量で、市場がダブついたときは「質」で。常に一歩先を行くその安定感と戦略は、驚愕に値します。
魚市場の魚が枯れ、静まりかえった時、最初にその枯渇を打ち破り、水揚げの光を灯すのも、いつも「米神」の魚です。
この「必ず獲ってくる」という揺るぎない力が「小田原地魚」のブランド価値を支え、魚市場に関わる人間に心の余裕を与えてくれるのです。
単なる「大漁」や「豊漁」という言葉では言い表せない、技術、経験、そして自然への畏敬が凝縮された奇跡。
「小田原アジ」の絶対的守護神、海の米の神、「米神漁場」。
ここに見参。
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