梅雨まっただ中の水曜日。
幸い雨は降っておらず、曇ってはいるものの穏やかな陽気だ。
今朝は期待できるかな?
そんな思いを抱きながら下田の港へと入る。朝6:00。
すでに魚市場の方が何人か集まって、忙しく動いている。地元の小釣り船などを中心に水揚げは行われていた。
クロムツ」、「アカムツ」に「イサキ」、「タカベ」、「アカハタ」。そしてもちろん日戻りの「地キンメダイ」や「メダイ」もあり、この日は「カツオ」の釣船も入船していた。
その中で目を引いたのが「ムロアジ」。
小田原でもそうなのだが、この魚は伊豆半島全域で「アカゼ」とか「アカゼモロ」などと呼んで刺身を珍重する文化があり、人気が高い。当然、価格も高いわけ。丸々と太っていて、美味しそう。定置網にまとまることもあるが、小田原では秋の魚だ。
ずらりと並ぶ魚たち。まもなく競りの始まりだ。
カリンカリンと鐘が鳴ると、あちらこちらから買参人が集まってくる。
この時、朝7:00。威勢の良い声出しと共に値が上がっていく。どうやらココではイギリス方式のオークションが基本のようだ。
そしてその頃、魚市場の奥では「キンメダイ」の水揚げが行われていた。日本一の「キンメダイ」の水揚げを誇る下田の港、定番の風景だ。
次から次へと運ばれる「キンメダイ」の山、また山。
手際よく計量された「キンメ」は、市場に並べられて速やかに零封するためのフィルムで覆われていく、そのフィルムの上には氷も施され、「キンメ」の命ともいえる赤い色と目の輝き、そして何より鮮度を守る品質管理が徹底しているようだ。
すばらしい鮮度の保たれた「地キンメダイ」
下田には「キンメ」の看板があり、沖には優良な漁場を抱える伊豆諸島が控えている。黒潮は常に目の前を流れ、磯に囲まれた漁場は豊富な水産資源を育んでいる。こんなすばらしい漁場と宝に恵まれた港だが、いかんせん首都圏から離れている。伊豆自体遠いイメージだが、ここ小田原からでも車で2時間はかかる。なかなかおいそれと行ける距離では無い。
しかし、そのカベを壊してこそ新しい取り組みを行うことができる。静岡(伊豆)+東京(伊豆七島)+神奈川(小田原)のコラボ。その三つ星を結ぶとき、オリオンの星は未だかつて無い魅力の光を放つ。
※
遠足〜三崎魚市場 遠足〜真鶴魚市場