2017年12月19日
ギス
小田原でこの季節の贈り物と言えば、やはり「蒲鉾」は外せません。
折角、贈るなら良い品物を送りたいと言うことで、知る人ぞ知る原料と職人技にこだわった逸品があります。
そして、何を隠そうその原料となる魚がコチラ(写真上)。
※下は「カゴカマス」
小田原では「オキギス」と呼ぶ人が多いですが、正式名称は単に「ギス」です。
魚の形はなんとなく沿岸に棲息する「キス」に似ている気がしますが、そこから連想された名前なのでしょうか。
「KISS」と言えば「デトロイト・ロック・シティ」ですけど、「ギス」と言うと「オダワラ・カマボコ・シティ」の開祖的存在と言えるのかも知れません。
その昔・・・
「キンメダイ釣りをしているとコイツが沢山釣れるけど、どうしよう?」
「食べても小骨が多いし、食べにくいなあ。」
「売っても値段も安いし、何とかならんかね。」
「え〜い、こうなりゃすり潰してしまえ!」
「あれ?すんばらしいスリミが出来ちゃった。」
ということで、明治期の小田原漁業の水揚げ記録によれば、「ギス」は結構獲れていたそうです。
かつては大量に獲れていたらしいですが、いつしかその量も減り、時代の変遷によって「小田原蒲鉾」の原料は安定供給される「グチ」や「スケトウダラ」へと代わり、「ギス」は昔はもてはやされたけど、今は用なしの一発屋芸人のような存在となってしまったのでした。
今では、ほぼ価値の無い魚として雑魚扱いしかされなくなった「ギス」。
それでも深場で釣りをすると、時たま現れるつぶらな瞳で面長の憎めない顔。
その陰キャにスポットライトが当たる季節。
それがこの年末なんですね。
一年に一度の晴れ舞台。
その意味で「小田原蒲鉾」も同じかも知れませんが・・・
ちなみにその蒲鉾。いえ「御蒲鉾」と呼びます。
今年の分はすでに完売したと言うことです。
※年寄りの魚屋さんや仲買人の話によると、昔、蒲鉾屋から出た「ギス」の頭(スリミにする前に切除する)を貰って来ては、煮付けたものを子供の頃によく食べたと言う。柔らかい独特の食感で大変美味しいそうである。
イタチザメ
体を彩る斑模様の妖しい刺青は、紛れもなく「イタチザメ」のそれでした。
おお、この威圧感。存在感。街角で会ったとしてもとても声などかけられない疎外感。
「海のゴミ箱」と称されるにふさわしい外道っぷり。そしてあまりにも暗くてよく分からない写真。
まさに「日陰育ちのひねくれ者、 お天道様に背中を向けて歩く、馬鹿な人間でございます」。
とまあ、「傷だらけの人生」の一説がよく似合う魚だなあと思いますが、数年ぶりの確認です。
相模湾は北限の一つだと思われますが、黒潮と言う名の護送車に揺られ、網走へ向かう途中に脱獄を試みたのでしょうか。
運悪くというか、悪運尽きて国府津の刺し網でお縄になってしまったと言うことです。
寒い季節でしたので動くに動けなかったのでしょうか。
まだまだ若い個体ではありますが、どう猛で危険なサメであることには変わりなく、これがもし夏だったらと思うとゾッとします。
でも、解剖して胃の中を見られると思うとゾクゾクッとします。
魚市場にサバリミナル効果
小田原魚市場水揚げ概況
「米神」定置:サバ 600キロ、小サバ 800キロ
「石橋」定置:小サバ 800キロ、サバ 530キロ、イナダ 75キロ
「 岩 」定置:小サバ 960キロ、サバ 590キロ、イシダイ 50キロ、サバフグ 50キロ、メアジ 50キロ
「原辰」定置:カワハギ 90キロ ほか
「江の安」定:カワハギ、アオリイカ ほか
「二宮」定置:サバ 120キロ、カワハギ 40キロ
「福浦」定置:アカカマス、イナダ ほか
「大磯」定置:イナダ、サバフグ ほか
全体的な漁獲減にあってスポット的に「サバ」や「イナダ」が現れ、記憶に残るせいで魚がある様に感じられるが、「サバ」が獲れたり引っ込んだり、「ショウゴ(カンパチ)」がまた出たり、消えてみたり。「カワハギ」の活けは大きくなったり、小さくなったり。「イシダイ」などもまとまったり、散ってみたりと、どれも頼りない。
何れの種も漁獲が続かないせいで、トータルで見ると量的にも金額的にも獲れていない。
この状況は広く各地でも見られ、全国的な不漁の波は続いている。
「米神」定置:サバ 600キロ、小サバ 800キロ
「石橋」定置:小サバ 800キロ、サバ 530キロ、イナダ 75キロ
「 岩 」定置:小サバ 960キロ、サバ 590キロ、イシダイ 50キロ、サバフグ 50キロ、メアジ 50キロ
「原辰」定置:カワハギ 90キロ ほか
「江の安」定:カワハギ、アオリイカ ほか
「二宮」定置:サバ 120キロ、カワハギ 40キロ
「福浦」定置:アカカマス、イナダ ほか
「大磯」定置:イナダ、サバフグ ほか
全体的な漁獲減にあってスポット的に「サバ」や「イナダ」が現れ、記憶に残るせいで魚がある様に感じられるが、「サバ」が獲れたり引っ込んだり、「ショウゴ(カンパチ)」がまた出たり、消えてみたり。「カワハギ」の活けは大きくなったり、小さくなったり。「イシダイ」などもまとまったり、散ってみたりと、どれも頼りない。
何れの種も漁獲が続かないせいで、トータルで見ると量的にも金額的にも獲れていない。
この状況は広く各地でも見られ、全国的な不漁の波は続いている。