小田原魚市場水揚げ概況
「米神」定置:小サバ 320キロ、ヒラソウダ 100キロ、イナダ 80キロ、ヤマトカマス 50キロ、サバ 75キロ、ウルメイワシ 100キロ、小クロシビカマス 160キロ
「石橋」定置:ヒラソウダ 460キロ、イナダ 60キロ、ヤマトカマス 40キロ、サバ 40キロ、ウルメイワシ 45キロ、小クロシビカマス 160キロ
「 岩 」定置:ヤマトカマス 130キロ、イナダ 70キロ、小サバ 80キロ、ヒラソウダ 80キロ、ウルメイワシ 90キロ、アカカマス 40キロ、カゴカキダイ 40キロ
「原辰」定置:休漁
「江の安」定:休漁
「二宮」定置:休漁
「福浦」定置:イナダ 900キロ、マイワシ 300キロ、シイラ 160キロ、ハガツオ 50キロ、アカカマス 50キロ、小サバ 300キロ
「大磯」定置:アジ 70キロ、小サバ 210キロ
伊豆方面からは、
「伊東釣船」:釣キンメダイ 50キロ ほか
東方面からは、
「平塚沖曳」:生シラス 60キロ
市場といえども、一定の顧客に対し販売を行う以上、売りにくい魚が大漁で入荷が集中すれば、早々に需給バランスは崩れ、品物はだぶつき、卸値は下落する。
荷受側としては、下値を支える為に多少の安価でも売り先を見つける努力を行うことが重要であり、同時に入荷を抑えることも選択肢のひとつではあるものの、需要に合わせて出力調整される太陽光発電と異なり、定置網などで漁獲される「小サバ」や「ヒラゴイワシ(小マイワシ)」などは、待ったなしに獲れてくる。
これは「メジ(マグロ)」も同様で、資源保護、乱獲防止という名の下に一定のサイズ以下の個体を放流もしくは水揚げ禁止にしているが、定置網の構造上、水揚げ時に入っていた個体に関しては、選別して放流することは漁師にとっても大きな負担となっている。
当然「メジ」の保護は、それだけの負担を強いるだけの意義のある重大事であることも承知しており、それに対して悩む漁師も多い。
結局、小魚や体長制限以下の「クロマグロ」などは、資源としてみればまだまだ未熟であり、当然経済的価値も低く、大量に獲ったとしても漁師の懐は決して温かくならないし、魚市場の収入も上がらない。いずれ資源の枯渇と市場の疲弊を招き、漁場の魅力、集客力の低下、ブランド価値の後退に陥ることだろう。
未来のない漁場に市場の未来もなく、魚食文化のレガシーもなくなる。
魅力ある水産物を安定的に供給、販売する為にも、休漁やむなしという考え方が定着するまであとどのくらいかかるのだろう。