小田原魚市場水揚げ概況
「米神」定置:ジンダ 3.5トン、小サバ 530キロ、ヤマトカマス 460キロ、イサキ 250キロ、サバ 110キロ、小ムツ 100キロ
「石橋」定置:休漁
「 岩 」定置:イナダ 630キロ、小サバ 320キロ
「原辰」定置:ジンダ 1トン ほか
「江の安」定:休漁
「二宮」定置:メイチダイ 330キロ ほか
「福浦」定置:休漁
「大磯」定置:ワカシ 110キロ ほか
東方面からは、
「江の島網」:サバ 620キロ ほか
ここ小田原の魚市場はまるで犯罪の温床――いや、清廉潔白な罪の舞台だ。
朝の薄明かりの中で、海から揚がったばかりの小田原産地魚が、高価な宝石のように次々と競りに並ぶ。その一瞬の輝きは、まるで盗まれた宝石が密かに闇市場で取引されるかのようだ。
瞬きも許されないスリリングな競り。目にも止まらぬスピードで次々と魚たちが競り落とされる。魚屋たちはまるで、「取引」に加担する牙保のようにこの新鮮な獲物を手に入れるために目を光らせている。
だが、その背後には「黒幕」たる魚市場がいる。小田原の海の恵み、まさに罪深いほどに新鮮な魚たちを、スムーズに競りにかけるその手腕は、詐欺師にも匹敵するほどの技術と策略が必要だ。あらゆる標的たる「地魚」は、我々が手のひらで転がしているのだ。
まさに「美味しい罪」。誰もがその誘惑に抗えない。
その結果、我々の手元から飛び出した魚たちは、まるで盗まれた名画のように魚屋に飾られ、人々を虜にする。
新鮮な刺身、焼き魚、煮魚、そして寿司。
――どれも罪深い美味しさで人々を「犯行現場」へと誘う。
魚たちは人々の口の中でその罪を静かに告白する。小田原の海の恵みがもたらす美味しさは、まさに「完全犯罪」と言えるだろう。
この罪深いほどの美味しさに、人々はまた小田原の地魚に引き寄せられ、その虜となっていく。
そして呟くに違いない。
「ヤツらはとんでもないものを盗んでいきました・・・それは、消費者の心です!」
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