小田原魚市場水揚げ概況
「米神」定置:ソウダ混 3.5トン、小サバ 620キロ、小モロ混 510キロ、キハダ 500キロ、ヤマトカマス 340キロ、アジ 230キロ、シロカジキ 150キロ、サバ 100キロ
「石橋」定置:休漁
「 岩 」定置:ソウダ混 770キロ、ヤマトカマス 630キロ、小モロ 100キロ
「原辰」定置:ソウダ混 2.5トン、小モロ 120キロ
「江の安」定:休漁
「二宮」定置:小サバ 240キロ、アジ・小アジ 100キロ、メイチダイ 100キロ
「福浦」定置:小サバ 1トン、マルソウダ 600キロ、イナダ・ワカシ 270キロ、メジ 100キロ
「大磯」定置:小サバ 590キロ、サバ 270キロ、ヒラソウダ 380キロ、マルソウダ 170キロ、ジンダ 100キロ
東方面からは、
「江の島網」:小サバ 1.5トン、サバ 100キロ
8月の終わりに台風10号が接近し、7日間の長い雨をもたらした。
降り続ける雨の中、小田原も被災、定置網も漁のできない日が続いた。その後の10日間は、まさに早川の谷は終末世界だった。
今朝、小田原の沖合に現れた巨大な影。それは怒り狂う「キハダ」の大群であり、その数はまるで王蟲の群れのごとく、海を真っ黒に覆い尽くしていた。「キハダ」たちは定置網に押し寄せ、その力は網を引き裂かんばかりだった。そして悪いことに、同じ網の中には海の巨神兵とも言うべき「シロカジキ」も巨大な角を天に向け暴れまわっていた。
その時、青いカッパを纏った一人の漁師が静かに動き出し、相模湾の広大な海に「小サバ」の群れを解き放ったのだ。
金色に輝く「メイチダイ」と「ショウゴ」の大平原に現れた漁師の姿を目の当たりにし、人々は口々につぶやいた「その者、青き衣を纏いて金色の野に降り立つべし」と・・・。
それはまるで、王蟲の幼生が激怒した親たちの怒りを鎮めたように、「キハダ」と「カジキ」の狂乱を静めるための一手であった。
ついに大物たちは静まり、定置網に平和が戻った。相模湾も再び穏やかさを取り戻し、海は再生した。
「青き衣の漁師」と共に、相模湾は新たな命を宿す海となり、その平和は長く続くことであろう。
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