小田原魚市場水揚げ概況
「米神」定置:休漁
「石橋」定置:マルソウダ 6.8トン、ヤマトカマス 3.5トン、アカカマス 1.1トン、ヘダイ 240キロ、小アジ 200キロ、オアカムロ 180キロ、イナダ 130キロ
「 岩 」定置:ヤマトカマス 2トン、ヘダイ 320キロ、マルソウダ 230キロ、小サバ 130キロ、小アジ 110キロ
「原辰」定置:ヤマトカマス 650キロ、ヘダイ 160キロ、小イサキ 100キロ
「江の安」定:ヤマトカマス 1.8トン ほか
「二宮」定置:サバ・小サバ 160キロ、アジ 80キロ
「福浦」定置:ウルメイワシ 780キロ ほか
「大磯」定置:トビウオ 350キロ、小サバ 190キロ
東方面からは、
「江の島網」:チダイ、アカカマス ほか
この夏、なかなかその姿を見せなかった魚「トビウオ」が、今朝、「湘南定置(大磯)」で大漁に揚がった。
350キロほどだが、一網としては十分な量である。魚でありながら、海と空を自在に行き来するその姿は、まさに「魚にして魚ならざる者」、海と空の覇者と言えるだろう。翼を持つその独特な形態は、自然の中で「飛翔」と「自由」を「合体」させた奇跡の産物と言える。
その味わいは個性的で好き嫌いが分かれるが、江戸時代より珍重され、現代では「アゴ」として立派な出汁の主役に出世した。その変貌ぶりは、まるで西郷隆盛が時代の荒波を乗り越え、幕府の大きな壁を打ち破り西洋と対等になろうと苦心して「合体」を試みたかのようにも見える。その飛ぶ姿に込められた壮大な維新という偉業は、まさに「翔ぶが如く」と表されよう。
そして、これが湘南の夏の終わりを告げる予兆なのだろう。
秋の訪れとともに、海の物語はまた新たな章を開くこととなる。
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