そう言って現れたのがこの魚である。
確かに見たこと無い。辛うじて「エソ」の仲間であろう事は推測できるが・・・。
この魚の特徴は、ヒメ目エソ科の魚特有のクワッと開く大きな口とブラシのように生えそろった歯、そして逆にエソらしくないウロコのない体で、ニョロリと柔軟な体。こんな「エソ」初めて見たなあ・・・。
こないだの図鑑で調べると、外見から「ミズテング」という魚だと言うことが判明。
それほど深い海で獲れたというワケではないが、まさにこの時期に相模トラフの延長線に当たる国府津沖の刺し網で獲れたと言うことからも、深海から急上昇してきたと考えても不思議はないと思うのだが、果たしてどうなのか。
実際、調べると駿河湾の「サクラエビ漁」で獲れることがあるという記述を多く目にする。
ただ、実際の生息域はもっと南方にあるようだ。訳のわからない魚が獲れたものだ。
ヒメ目の深海魚といって思い出すのが、多くの深海マニアを虜にして止まない「ボウエンギョ」である。
そういえば、目はちっちゃいが、なんとなく間延びした体つきや細かい歯列などは似ている気がする。
それにしても、世に「テング」と名の付く魚は数多くいる(テングダイ、テングハギ、ウミテングなどなど多数)が、それらの多くが口吻や鼻腔付近、または角状のものが顔から前面へ突出したりしていて、なんとなく「天狗」の面影を持っているものだ。
しかし、この「ミズテング」は、明らかにその系統とは違う。

妖怪とも考えられる天狗のように、現か幻か判別できないような深海という異次元に生息している魚という意味なのだろうか、それとも安産祈願の「水天宮」のことを示しているのだろうか?
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