ギラギラした目、鋭い歯。
これぞ悪役の典型、魚界の「遠藤太津朗(遠藤辰雄)」、「バラムツ」です。
深海性であることから目は大きく、口は大きく広がり、細かくも鋭い歯が並びます。
また鱗が棘状になって並んでいるため、素手で魚体をつかもうとすると痛みを感じますし、大きいモノになると怪我をします。名前の「バラ」は、その棘が「バラの棘」に似ているというのが由来だそうです。ちなみに小田原の古い漁師は、その棘が「杉の葉」に似ているために「スギウオ」と呼んでいます。
かつては、食用として流通していたそうですが、食べ過ぎると身に含まれるワックス(油)成分により下痢・腹痛を起こすとして昭和40年代の中頃に販売を禁止され、それ以来、食品衛生法で規制された有毒魚としての「バラムツ」のイメージは完成されました。同じく禁止された「アブラソコムツ」は仲間ですが、コチラは相模湾では滅多に獲れません。
ちなみに韓国では「白マグロ」などと呼び、食用にする(現在では規制されている?)そうですが、未だに業者の摘発が後を絶たないそうです。
日本では食品衛生法により明日から生の牛レバー(肝臓)が食べられなくなるそうですね。私は全く食べたいと思いませんが、駆け込み需要と食べ惜しむ人で焼き肉は賑わっているとか、いないとか。
ま、それでもその物自体の存在がこの世から無くなるわけではないので、完全に撲滅できるというわけではないですし、食べたい人はこれからも食べるだろうし、いずれ対策でも出来れば普通に食べられるのかもしれませんしね。それがまた人の世の常ってやつでしょう。
ちなみに、やっぱり韓国に行けば、普通に食べられるそうです。
それにしても「バラムツ」ってやつは、多い日に数十本もまとまって獲れる事もあり、基本的に相模湾では他の魚を傷つけるとして悪者扱いです。
残念な事に普通の人は食べたいと思っても食べることは出来ないでしょうが、駿河湾などではスポーツフィッシングの対象魚として嗜好する向きもあるそうで、一部には人気もあるそうです。基本キャッチ&リリースなのでしょうが、中には切り捌いてゴニョゴニョする人もいるのではないでしょうか?
もちろん、この件では特権階級とされる漁師の中にも、捨てるべき「バラムツ」をおかずの分だけ捌いて持って帰る人がいます。やはりあの脂、いや油と行った方が正しいのだが、豊富な超トロ的な身質のおいしさが忘れられないのでしょう。
中には岸壁で捌いたそばから口に運び入れる強者もいるとかいないとか、ワイルドだろぅ〜?
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