「米神」定置網に入った個体。
一見、小田原の人にとってなじみ深い「クロタチカマス(ナガスミヤキ)」に似ていることもあり、「おんや?」と興味を持つ人も多かったが、その正体を知ってあまり食用向きでないとして落胆する人も多かった。
真ん中モッコリ、水曜日だから「水魚」が獲れたとか言う人もいて、何言ってんだかとあしらっていたら、「岩」定置でも漁獲されたとの報告が。近隣の定置網に立て続けに「ミズウオ」が2匹。年に1匹掛かるかどうかの深海魚が、近いとはいえ別の網にそれぞれ入網とか、なんたる偶然。なんたる事件。
強靱な歯でもってガブリとやるのが奴らの常套手段であり、深場釣りの外道としても度々掛かるらしく、また刺し網などにも掛かることがあるという。
そんなに珍しいという訳ではないが、たいてい沿岸に打ち上がったり網に掛かったりする時には弱っていたり、ガリガリだったりと、その珍妙な存在感で我々を楽しませてくれる「ミズウオ」。
コイツが獲れたら、まずは開腹して胃の内容物を確認するのが通の楽しみ方なのだが、コイツに限ってはガリガリの方だったので、期待薄。それでも空っぽを確認し、最後はスーパーへと姿を消した。
とある漁師さんは、鍋にして食したというが、その肝心の味については多くを語らなかった。
珍魚は珍魚らしく、謎は多いままにしておいた方が良いのかもしれない。
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