またも国府津の刺し網に掛かった珍魚にして深海魚。略して珍海魚。
それにしてもこの精悍な顔つきとどす黒い体。うっすら開いた口から見える鋭い歯列。この魚から醸し出される怪しさ、最早尋常ではない。むしろ「珍怪魚」と呼ぶにふさわしい。
少し後ろ寄りに付いているヒレの感じなどから、なんとなく「ブラックバード」こと往年の超音速偵察機「SR-71」の姿を思い浮かべるのは私だけではないだろう。まさにビッグワンガムの花形だ。
「アブラガレイ」と聞いてピンと来た人は、なかなかの食通。普段何を食べているか気にしながら食事をしている人に違いありません。そう、回転寿司屋さんで見掛ける「えんがわ」はほぼ間違いなくこの魚のものと言って過言でないそうです。
よく似ている魚に「カラスガレイ」がおりますが、論文により訂正。
確かに触った感じで縁側付近はプルンプルンしており、やはり深海魚の特徴であるコラーゲンタップリの肉質を感じました。この魚がベーリング海やオホーツク海に行くと1メートル近くにもなり、底曳きで大量に獲れるというのだから、驚き。それよりもまず、東北以北に分布とされるこの魚が相模湾で獲れる事にも驚きである(この個体が初記録と言う事)。
昨日、同じく国府津の海岸では「ミズウオ」が揚がっていたという報告もあったそうだし、また深海から上昇してくる強力な湧水でもあったのでしょうか?
※2018年 「アブラガレイ」に訂正
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