「うすうす」といえば、避妊の定番。
「うすいさん」といえば、相模湾の新製品開発者。
「ウスエイ」といえば、「エイ」の中でも期待薄と言われる程のマイナー種。
「二宮」の定置網に今朝かかったこの個体。
フラッシュに光る小さな目と大きく広々とした特徴あるヒレ。「エイ」特有の体盤は完璧だし、「ウスエイ」の武器、尾部から生える太々とした毒棘は白く光り、雄々しくも猛々しい。
名前の特徴とも言える薄っぺらいボディは、まるでスーパーカーのように水の抵抗を無くし、長距離移動を可能にする。この種はインド洋から太平洋、オーストラリア沿岸に分布していると記載され、その分布から推察するにおそらくは、南シナ海か台湾周辺の海域から相模湾まで到達した個体と考えられる。
英名「Deepwater Stingray」という事からも想像できるが、比較的深海に生息する魚らしく、プヨプヨとした肉付きは昨年漁獲された「ムツエラエイ」と同様で、魚全体が同じような薄紫色をしている。
どうしていつもは冷たい深海の底にいる魚が、この猛暑極まる相模湾沿岸に浮上してきたか謎は深まるばかりである。ましてやこの暑い時期にこんな魚が獲れる事は、非常に珍しいと言わざるを得ない。
そして今後、この魚に再び出会う可能性は非常に薄い、と言う事だけは言える。
【関連する記事】