大きな鱗に覆われまるで鎧を着た武士のような魚だと例えられ、付けられた名前が「ブダイ(武鯛)」
背びれ、尾びれ、尻びれと青い縁取りがメイクアップ・シャドウな雰囲気を持ち、付けられた名前が「アオブダイ」。
赤色や黄色が混じったような「ブダイ」もおり、それはいわゆる普通の「ブダイ」と呼ばれ、良く獲れるのだが、それに混じってこの「アオブダイ」が獲れることがある。この魚は南洋の珊瑚礁廻りに多く生息しているるのだが、稀に小田原周辺の刺網や定置網に掛かることがある。
この魚は有毒魚として知られ、厚生労働省から販売自粛を指導される魚の一つであり、市場としてこの魚は売ることができません。結果、流通に乗ることはなく、釣り人以外は食べたいと思ってもほぼ無理と思われます。
この他にも「ブダイ」の仲間はカラフルなものが多く、魚種名で見ても「アカブダイ」や「ダイダイブダイ」、「ヒブダイ」、「レモンブダイ」、「ブチブダイ」、「イロブダイ」、「ニシキブダイ」など見た目の色で付けられたような仲間が沢山いる。ただし、小田原では「ブダイ」か「アオブダイ」しか見たことが無い。
ちなみに英名で「ブダイ」は、クチバシのような口を持ち、鳥に似た見た目から「Parrotfish(オウムのような魚)」と呼ばれている。ついでに言えば日本名でも「オウムブダイ」や「シジュウカラ」という「ブダイ」の仲間もいるから面白い。
また「ブダイ」は夜、体から分泌した粘液で寝袋を作り眠る魚として知られている。一介の武士でありながら立派な寝城の主なのである。
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