「浜さん」は点々とカビのように生えた口ひげがトレードマークでしたが、この「ダツ」は尾部に点々と並ぶ大きな黒点が目印。しかもその黒点は必ず8つ以上あると言うのだから、もう負け越しである。

「ダツ」類は夏になると現れる回遊性の高い地魚で、それ以外の季節で見掛けることは少ないですが、その特異性が近年の人気につながっていると考えられます。
普通、水温や気温の高くなる夏場は、定置網漁では夏枯れや魚種の減少などがあり、市場に並ぶ魚が非常に限られたものになりがちで、魚屋さんや板前さんにとって、どうしても刺身用に買い付ける種類がマンネリ化する傾向にありました。その中で新たな刺身用の地魚として、見た目のインパクトや相場の安さ、食感や身保ち、少ないながらも日々獲れる安定性などの点から、新たな定番の刺身用地魚として白羽の矢が立ったような形になったのだと思います。
とはいえ、まだまだ知名度も低く、食べたことある人も少ないでしょう。市場で見られる季節もあとわずか。
食味に関して興味を持たれた方は、マニアックな夏の魚の味覚に間に合って欲しいと願います。
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