この「イシモチ」みたいな魚とか、
あの「イボダイ」の偽物みたいな魚、「なんて魚?」
・・・今まで何度聞かれた事か。
「クロサギ」ですと、名札をぶら下げておいて欲しい。
四国の方じゃ「アマギ」とか「アマギダイ」とか呼ぶらしいが、この辺では唯一「アゴナシ」と呼ぶ人がいましたが、他にそれらしい名前は出ませんでした。
「アゴナシ」という名前は、この魚の他にも「ギンメダイ」や「ツバメコノシロ」を指して呼ぶ地方名として小田原で通用しており、全国的にもおちょぼ口の魚の呼称として定着しているようです。
白身ですが、真っ白と言うよりは「クロダイ」に近い様な灰色と黒い血管が目立つ様な地味な身質。
それでも意外に味があり、脂も感じられる食べ心地良さ。
酢飯との相性も良く、塩焼きにしても美味「あくまで個人の感想です」。
河口域や砂泥域の海岸や沿岸に棲息する事が多い様で、定置網にまとまる事も少なければ、刺網でもそんなに獲れる魚ではありません。
が、今朝の「石橋」定置では30キロほどまとまって獲れており、この魚の単一の量としては記録的とも言えます。
冬の魚という訳でもなく、夏の魚という訳でもなく、一年を通じてポツポツ揚がる魚であり、その為に雑魚扱いを抜け出せない魚ではありますが、それでも立派な地魚であり、今後、量がまとまるようなことがあれば、一躍主役に祀り上げられるポテンシャルを備える魚として、記憶の片隅に置いておくのも良いでしょう。
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