走るシーラカンスといえば「初代デボネア」。
この魚は、まさにサメの中の「シーラカンス」。
これに勝るモノは、もはや「シーラカンス」しかないと言えるだろう。
「生きた化石」は市場にもゴロゴロいるが、海から揚がってきたモノは初めて見た。
この長い体を使って、鰻のようにニョロニョロと泳ぐのだという。
原始的な魚だけあって環境亭応力が低く、深海から揚げるとすぐに弱ってしまうため、なかなか長期飼育が難しい。
国府津の名門深海漁師「浩丸」氏によれば、昨日の漁獲時には活きていたそうで、今朝も上場時には活きていたそうだが、確認した時には残念ながらお星様になっていた。
環境適応力は低いが、獲物の捕獲に関しては有能で。写真の通り大きく開く顎、そしておにぎりをも丸呑みにせんとする口、そして捕らえた獲物を決して逃がさない鋭利な牙。
「ミツクリザメ」もそうであったが、深海ではエサとの出会いは奇跡であり、千載一遇。その機会を逃したら次はいつになるか分らないのである。狙った獲物は逃がさない。
その貪欲さは見事、サメの形態となって現われ、現代まで残っているのである。
この魚が、一億年も生き長らえた理由の一端を垣間見た気がした。
しかし「ラブカ」って昔、何かで「裸の鮫」の意味で「裸鱶」だと聞いた記憶があるのだが、漢字で書くと「羅鱶」なのだそうだ。さわり心地が羅紗だとか。
むしろ「ラッシャー木村」なみに時代遅れのサメ、という意味かも知れないが。
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