「米神」定置:小イサキ 4トン、イサキ 600キロ、ヤマトカマス 200キロ
「石橋」定置:小イサキ 3.8トン、ヤマトカマス 1.2トン、ヒラソウダ 700キロ、イサキ 380キロ、ムロアジ 250キロ、チダイ 100キロ
「 岩 」定置:小イサキ 3トン、イサキ 1.1トン、ムロアジ 800キロ、ショウゴ 150キロ、ヤマトカマス 110キロ
「原辰」定置:ムロアジ 570キロ、カンパチ・ショウゴ 280キロ、イサキ 540キロ、ヤマトカマス 100キロ
「江の安」定:ムロアジ 770キロ、小イサキ 600キロ、ヤマトカマス 560キロ、ショウゴ 140キロ
「二宮」定置:小イサキ 1.5トン、イサキ 600キロ
「福浦」定置:メアジ 1.4トン、アカカマス 320キロ、小サバ 300キロ、ヒラソウダ 250キロ、ヤマトカマス 160キロ、ウルメイワシ 160キロ
「大磯」定置:ショウゴ 300キロ、チダイ 120キロ、小アジ 100キロ
東方面からは、
「江の島網」:チダイ 190キロ ほか
佐島釣船 ・・・ 釣カツオ 460キロ
アメリカの政治的分断が、都市部と地方、リベラルと保守といった異なる価値観の間で折り合いがつかない状況の中で迎えた投票日。この二極化によって、社会全体の一体感は崩れ、政策の合意形成が困難を極めている様にさえ見える。それに反し、小田原の「イサキ」と「ムロアジ(アカゼモロ)」の水揚げも、ある意味、市場における二極化の現れとなって我々の眼前に突きつけられている。
夏から秋にかけての地魚代表とも言える「イサキ」、大小問わず皮下に蓄えた脂の旨味は万人を虜にする。そのサイズ感、使い勝手は魚屋さんや量販店のみならず干物向けの加工筋にも人気を誇り、量的にまとまった今ならお手頃な価格での入手しやすさも相まって、人気は拡大中である。対する「ムロアジ」は、「アカゼモロ」と称され秋の代表魚として根強い人気を誇り、この季節の「マアジ」不足を補う「旬魚」としての大役を担っている。旬の今、漏れることなく脂の乗る「アカゼ」は、大漁が続き、価格の面でも食味の面でもメリットは多く、こちらも加工筋に人気が高い。一見、両者は共通点も多く共存が望めそうではあるが、両者には白身と赤身という大きな違いがある。この特徴はその身持ちに大きな違いを産み、その使い勝手に大きく影響する。日持ちの良さは魚の使い方に余裕を生み、一方で足の早い赤身は回転を追求した使い方が主となる。
短期的な視点で見る時、経済的回復や雇用の確保という点から「ムロアジ」は当日の刺身使いが多くなること、その後の干物向け加工など、多くの雇用を生む事は間違いなく、またその価格も安く安定していることから経済的にも余裕を生むことは間違いない。対して「イサキ」の場合は、大漁に獲れる時は数トンレベルでまとまり、その量は通常の処理能力を超えて獲れる事が懸念材料として挙げられる。この原因が海の環境変化にあるのか、一時の大漁で終わるのかはなかなか判断の付かないことだが、気候変動への対策や新たな「小イサキ」を中心とした加工方法の研究開発など将来的な課題も多く、解決への道のりと、その先にある持続可能性の追求という経済的利点を見逃すことは出来ないだろう。
いずれにしても最終的な判断は、食べたいものを食べる、それに尽きると思う・・・
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