
「ビンチョウ(マグロ)」
通称「トンボ」。
青白い巨体に長く伸びた胸びれで
一目で識別可能なマグロの仲間である。
正しくは「ビンナガ(マグロ)」と呼ばれるこの魚は、
その白みがかった身質からツナ缶の原料として親しまれてきた。
しかし近年では回転寿司でも人気を集め、
「手頃に味わえるマグロ」としての地位を確立しつつある。
相模湾の最奥に位置する小田原沿岸では、
沖を泳ぐ習性を持つ「ビンナガ」が
定置網にかかることは稀だとされてきた。
それが、今年に限っては様子が違う。
漁師たちも魚屋も市場関係者も、
口を揃えてこう言う。

「今年はトンボが多い」
黒潮の流入は例年並み。
それなのに、どこから湧き出したのか
と思うほど「ビンナガ」の姿が見える。
──これには、ある噂がある。
とある
やんごとなき
名家の出身者に
「トンボ」研究に
ひとかたならぬ情熱を
注ぐ方がいるらしい。
畏くも
「トンボ」の保護を尊ぶ
その方のご尽力によって、
ごく内々に
「トンボ類憐れみの令」なる
お触れが出されたとの事。
表立つことはないが、
日本近海を泳ぐ
「ビンナガ」の個体数は、
どうやらその影響を受けて
増加しているというのだ。
果たして、
それが真実なのか、ただの噂なのか。
しかし確かなのは、
小田原の海に今、
豊かな数の「トンボ」が
舞っているという事だ。

信じるか信じないかは、
アナタ次第である。
と言うことは、
子供達の野球離れにも
歯止めが掛かると言うことか?
実際
「クレープ」は
また流行っているらしいから
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