
全身が鮮烈な赤色に染まる蟹
「トウヨウホモラ」
学名 Homola orientalis
その名に宿る
真っ赤な「トウヨウ」は
まさしく「広島東洋カープ」
さらに
「ホモラ」という学名は
「Homerun(ホームラン)」を
彷彿とさせる。
力強い鉤爪と、
毛深く逞しい腕――

その姿はまるで、
かつてのカープの
ホームラン王
ランスを思わせる。
中国名は「東方人面蟹」。
赤い人面の蟹と言えば
新井貴浩監督が
護摩行で鍛え上げた
真っ赤な顔が思い浮かぶ。
まるで蟹そのものに
新井監督の魂が宿ったかのようだ。
今年の優勝に懸ける思いは
人一倍強いものの、
オープン戦では現在最下位
三戦連続零封負けと、
いまひとつ勢いに欠ける現状。
だが、ここにきて現れた
「トウヨウホモラ」は、
まるでカープに勝利の風を
呼び込む象徴ではないか。
今年はどうやら
鯉ではなく
蟹を新たなシンボルとして
戦う構えのようだ。
この「トウヨウホモラ」は、
上を向いた第四歩脚を用いて
巧みに海綿や小石を背中に背負い、
身を守る習性があるという。

背負うことに意味があるのだ。
ならば優勝請負人・新井監督の
魂の宿ったこの蟹には
「優勝」の二文字を
背負わせなければならない。
しかし、この個体は
片方の第四歩脚
(最も下にある足)
が欠けている。
この片脚こそ
「九里」の抜けた穴
ではないのか?
たとえ片脚を失おうとも、
不屈の精神でチームを守り、
支える姿は、
新井監督率いる
今年のカープ
そのものではないか。
そして「ホモラ」の名が示す通り、
この蟹には
ホームランを放つ力強さが宿っている。
手負いの蟹であっても、
一発逆転のホームランを狙うことはできる。
苦境にあっても夢を捨てない姿勢は、
まさに優勝を目指す闘志と重なる。
まるで鎧をまとったような
「トウヨウホモラ」の
力強さをシンボルに、
今年のカープは戦う。
参考:近縁の「オオホモラ」
.
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