いまから100年以上前の日本。新聞紙上では「野球害毒論」なる論争が巻き起こっていました。
その発言者のひとりとして名を連ねたのが、デイヴィッド・スター・ジョーダン。
アメリカ・スタンフォード大学の初代学長にして、世界的な魚類学者です。
魚の分類に興味を持った人なら「ジョルダン」という名を必ず目にするはず。
1913年に出版された「日本産魚類目録(ジョルダン・田中・スナイダー)」は、日本の魚に標準和名を与えた時代を切り拓いた名著であり、まさにここから日本魚類学の近代が始まったのです。
ジョルダンは世界各地を巡り、なんと2,500種以上もの魚を新種として記載しました。日本でも数多くの新種を発表し、その弟子・田中茂穂は「近代魚類分類学の父」と呼ばれるようになります。まさに「日本魚類学」の原点を築いた人物でした。
さて、そんなジョルダンの名を冠した珍しい魚が獲れた。
深海800メートル、「キンメダイ」漁の外道として現れた激レアの「アカギンザメ」の仲間。
その名も「ジョルダンギンザメ」。
4キロもあるなかなかの大物だ。
100年以上前に日本魚類学の礎を築いた学者の名が、いま深海からの来訪者に重ねられる。
冗談のようでいて、どこかロマンを感じさせる名付けではありませんか。
暗い深海には、まだまだ多くの語られぬ物語が眠っているのでしょう。
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