2025年10月13日
令和8年(2026年)の休開市表
以上の通り、来年度の営業日数は 251日となります。
かつて2009年には274日、10年前の2015年にも270日を数えていた営業日数は、この10年間で大きく減少しました。
この休市日の増加ぶりは特筆すべきであり、私たちの業界が社会の大きな変化の影響を強く受けている何よりの証拠と言えます。
この変化は、単なる「休みが増えた」という表面的な事象ではありません。
その背景には、複合的な社会的・構造的要因があります。
主な理由として、以下の3点が挙げられます。
○労働環境の改善と雇用問題(人手不足)
現代社会では、ワークライフバランスの確保が必須条件となっています。特に水産・流通業界では、過酷な労働環境や長時間労働が常態化し、新規の働き手が定着しないという深刻な人手不足に直面しています。休日の増加は、この業界を持続可能にするための緊急的な労働環境改善策としての意味合いが強く、働き手の生活と健康を守るための、社会的な要請でもあります。
○資源管理の強化と漁獲制限
世界的な環境意識の高まりと、日本の水産資源の維持・回復は喫緊の課題です。過剰な漁獲を防ぎ、将来にわたって資源を守るため、漁業者の側から自主的な休漁や出漁制限が設けられるケースが増えました。これは、未来への責任を果たすための業界全体の英断であり、流通の現場にもその影響が及んでいます。
○市場の効率化とサプライチェーンの変化
デジタル化の推進や物流システムの進化により、「年中無休で稼働する」という旧態依然とした市場のあり方が変わりつつあります。
消費者ニーズの多様化と物流技術の進歩は、必ずしも毎日開市する必要のない取引形態を可能にし、より効率的な業務体制への移行を促しています。
そして、労働者にとって休日の増加は、心身のリフレッシュ、家族との時間、自己投資のための大きなゆとりと余裕を生み出します。これは、活力ある生活を送る上で非常に喜ばしいことです。
しかし、その喜びの前に立ちはだかるのが「お金の問題」です。
私たちがゆとりある生活を送るためには、それに先立つ経済的な基盤が必要であることを知っています。業務日数が減ることは、すなわち「稼働日数」の減少に直結し、特に現場で働く方々の収入に直結する課題です。
余裕が生まれれば、旅行、趣味、教育費など「消費」が生まれます。その消費を支える確かな報酬があってこそ、社会人としての充実感が生まれます。
業界全体として、この課題に真摯に向き合い、生産性の向上、高付加価値化、そして適正な価格転嫁を通じて『休みも取れて、しっかり稼げる業界』へと進化していくことが、今、強く求められています。
私たちは、この変化を後退と捉えるのではなく、「持続可能な働き方」と「より質の高いサービス」を生み出すための大きなチャンスと捉えています。
労働環境は、これからますます働きやすく、魅力的になっていくでしょう。
新しいテクノロジーやビジネスモデルが導入され、より効率的でスマートな働き方が可能になります。
私たちは、この業界で働く人々が誇りを持てる環境を整えることに全力を尽くします。
そして、この「新しい挑戦の時代」に共に歩んでくれる多くの意欲ある働き手が、私たちの業界に来てくれることを心から願っています。
さあ、この未来予想図を壁に掲げ、共に新しい未来を切り開こうではありませんか!
.
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック






