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2025年10月14日

華麗なる魚市場一族

小田原魚市場水揚げ概況

「米神」定置:マルソウダ 3.6トン、マゴサバ混 3.1トン、ヤマトカマス 2.8トン、小アジ 1.8トン、ムロアジ 800キロ、オアカムロ 600キロ
「石橋」定置:休漁
「 岩 」定置:マルソウダ 3.1トン、小イサキ 1.1トン、マゴサバ 900キロ、小アジ 580キロ、ヤマトカマス 310キロ、イサキ 210キロ
「原辰」定置:休漁
「江の安」定:マルソウダ 2.4トン、ムロアジ 380キロ、イサキ・小イサキ 460キロ、ニザダイ 100キロ、ヤマトカマス 70キロ
「二宮」定置:小イサキ混 520キロ、アジ・小アジ 200キロ、ヤマトカマス 110キロ、イサキ 90キロ
「福浦」定置:マゴサバ 1.8トン、ヘダイ 450キロ、小イサキ 230キロ、イナダ 220キロ、イサキ 200キロ、ワラサ 140キロ、小アジ 130キロ
「大磯」定置:小アジ 70キロ ほか

東方面からは、
「江の島網」:チダイ 200キロ、マダイ 100キロ

伊豆方面からは、
「川奈定置」:ヤマトカマス 100キロ、シイラ 60キロ

連休明け、小田原は当然のごとく水揚げが充実。
しかし、その魚群の構造は、次期「地魚リーダー」の座を巡る水面下の激しい権力闘争を映し出しているかのようです。
当然ながら水揚げの中心は、圧倒的な漁獲量を誇る最大勢力「マルソウダ(ウズワ)」。現与党として 急転直下の「オアカ=ムロアジの連立」復活を追い風に、最大漁獲量で主導権を握りました。しかし、市場での評価はまだ高くなく、今後、数の力だけでリーダーの座を維持できるかが最大の焦点です。
一方で中堅勢力として伺うかつての与党「マゴサバ」は、いずれも一家言ある古参の顔ぶれが揃っており、地魚政権に不満が高まれば、一気にリーダーの座を奪還する可能性を秘めています。
そしてもう一方で、時化と言う混乱を利用して浮上しようとしているグループが、刺々しい「イサキ派」です。
「イサキ」は「小イサキ」を中心として集まっており、「マルソウダ」に比べて量的には劣るものの、魚市場での声(単価)は小さくありません。特にちくりと飛びだす「棘」は、魚市場での発言力とも言え、その存在感は無視する事が出来ないはず。いずれの派閥も権力構造の不安定さ抱えていることを象徴しています。
さらに侮れないのが急進派として名高い「ヤマトカマス」です。 各定置で幅広く水揚げされ、干物屋を中心としてた加工業者を支持母体に、「第三極」としての存在感を増しています。その身軽さと数の多さは、今後、勢力図を大きく動かす「キャスティングボート」を握る可能性もあります。
今後、地魚リーダーの座を決めるに当たって、高い品質と安定した人気を誇る「高級魚」の存在も見逃せません。
「ヘダイ」は季節を味方に付け、旬という支持基盤があり、近々多くの味方を増やしてくると思われます。同じく「イナダ」は出世魚の若手エリートであり、今後の成長株として、魚市場政界の期待を一身に集めます。その動き次第で、相場は大きく変動するでしょう。さらに東の「チダイ」や「マダイ」は、その単価の高さで魚市場の閣僚的立場の存在感を示し、相場の格調を保っています。
連休明けという特殊な状況下では、魚の動きの本筋はまだ図りかねます。各魚種がどこに群れを成し、どの定置で水揚げされるかという明日以降の動向が、各陣営の描く布陣や市場の票読みを決定づけるでしょう。
そして「マルソウダ」の数の力がどこまで維持されるのか、「マゴサバ」の実力が復活するのか、「イサキ」の高値が市場を刺激するのか・・・激動の秋、魚市場をリードする旬魚は誰になるのか、引き続き注目です。
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posted by にゃー at 17:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 小田原魚市場日報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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