「米神」定置:ソウダ混 8.5トン、ヤマトカマス 2.6トン、小アジ 2.3トン、小イサキ混 1.5トン、マゴサバ 1トン、ショウゴ 300キロ、イボダイ 170キロ
「石橋」定置:休漁
「 岩 」定置:ヤマトカマス 1.4トン、ヒラソウダ 800キロ、マルソウダ 650キロ、カンパチ・ショウゴ 100キロ
「原辰」定置:ソウダ混 2トン、ヤマトカマス 1.3トン
「江の安」定:ソウダ混 980キロ、カンパチ・ショウゴ 400キロ
「二宮」定置:マゴサバ 200キロ ほか
「福浦」定置:ショウゴ 1トン、カンパチ 400キロ、ヘダイ 400キロ
「大磯」定置:ソウダ混 270キロ、カンパチ・ショウゴ 120キロ、小アジ 100キロ
東方面からは、
「江の島網」:ショウゴ 920キロ、カンパチ 230キロ
伊豆方面からは、
「川奈定置」:ヘダイ 130キロ、ボラ 110キロ
ワールドシリーズでエースが温存されることが、次の大事な試合や終盤戦の勝利を保証する命綱となるように、魚市場もまた、明日何が獲れるか分からないという不確実な未来を常に予測し、備える事を怠ることはしません。日々の備えこそが、魚市場を長期的に安定させるための最も重要な戦略であるからです。
市場価値の高い「カンパチ・ショウゴ」が各地で継続的に水揚げされており、エース級地魚の安定した登板が続いています。しかし、その土台は「ソウダ類(マル・ヒラ)」が全体で10トン超という圧倒的な漁獲量によって支えられています。このエースと強靭な土台の構造こそが、一過性のイベントに終わらない、小田原漁業の優位性の源泉と言えるでしょう。
漁師が氷を仕込み、港で箱を準備し、魚商が仕入れを想定する。このルーティンは単なる作業ではなく、獲れる魚の波が来る時を逃さないためのブルペン待機に他なりません。
獲れる魚が分かっている時は「業務」ですが、獲れる魚が分からない時こそ、この準備が未来に対応する即応能力に変わります。「小田原アジ」や「カマス」の群れ、あるいは思わぬ高級魚が突如獲れた時、一瞬の好機を逃さないための日頃の努力こそが、漁獲量という数字には表れない、魚市場の最も重要な資産となるのです。
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