クリスマスを前に、バカンスの気配が街に広がるころ、魚市場もまた冬のきらめきに包まれた。
軒先の電球が白く瞬き、氷の上の魚たちはまるで星をまとったように静かに輝く。潮の匂いに混じって、どこか浮き立つ気配。人の足音も、心なしか軽やかだ。
今朝の合図はジングルベルではなく、アジとサバが跳ねるたびに鳴る「アジサバクル」。大ぶりの「アジ」は誇らしげに、「マサバ」は磨いたばかりの鏡のようにピカピカだ。箱の中で身を寄せ合い、氷の粒を鈴の音代わりに鳴らしている。
こうして魚たちも、ひそやかにクリスマスムード。氷のベッドで海の夢ではなく、笑顔に満ちた魚市場の夢を見ているのだった。
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