魚体中骨抜き器販売中

2012年11月19日

セリ人視点で競りを撮ってみた


20121101_cameraman.jpgおっす!おらセリ人。今日もせっせとセリに励むぜ。
というわけで、私的視点に拠るところのセリの様子をご覧ください。値段のわかりやすい人、わかりにくい人、ヤリの早い人、遅い人、反応のいい人悪い人、アクションの派手な人、必死な顔で迫る人、クールな人、様子見でただ見ている人、いろいろな人が参加してます。
セリ人は、出された値段を瞬時に判断し、次の値が出るか、出ないかを一呼吸待って、落札します。そして間髪入れず次の商品へと移動し、熱気の冷めないうちに一気にセリを終わらせます。まさにセリは生き物ですから、熱いうちに打ち続けないと、その熱気は次第に失われ、参加者全員が冷静になったときには、たいてい白けたムードのセリになってしまい、値段も出ず、品物も思うように売れない事が多いです。
そのため、セリ人は常にいかに活気あるセリを演出するか、雰囲気を維持するかを大事にします。
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2012年07月13日

遠足〜三崎魚市場

20120617_misaki1.jpg

とある6月の日曜日。
日の出を前に、車をいつもと違う東方面へと走らせた。
ルロロ・・・

途中、美人娘が店番をしているセブンイレブンにて用を足し、朝飯を仕入れれば準備完了。さー、今朝はどんな魚が揚がるかな〜!期待とアソコを膨らませながら、いざ先っちょへ。

ピロロ・・・
そこへ電話。「強風のため、三崎入荷極めて少なし。」
さすが三浦半島、相模湾の東南端に位置する三崎魚市場。風当たりもまるでウチのように強く、冷たい(らしい)。
20120617_misaki4.jpgとはいえ、自衛隊を横目にここまで来て帰るわけにも行かず、直行。
幸い、日曜日は三崎の朝市が営業している関係で駐車場はタダ。来場者も多く、朝から賑わっていた。
ザワワ・・・

20120617_misaki5.jpg反対に魚市場の岸壁はと目を転じれば、案の定、強風による時化の影響で入荷は乏しく、まして名物のマグロの取り扱いが休みとなる日曜日は、鮮魚の入荷も比例して少なくなる事が往々にしてあるらしい。
仕方ないので朝市に足を向け、いろいろ見て回ったり、少ないながらも 魚市場に列んでいる魚をチェック。

20120617_misaki2.jpg噂通り「イボダイ」や「アカカマス」、「マサバ」は小田原と異なり、かなり大きい。見た目で負けた感が強く、打ちのめされた感に嘖まされつつも、今朝はいったい何を買おうかしばし思案の図。
ウムム・・・

20120617_misaki3.jpg活魚コーナーも充実の品揃え。「マダコ」、「マゴチ」、「イナダ」に「マダイ」、「ヒラメ」や「アワビ」、「バテイラ」の事をこちらでは「玉」と表記していました(小田原は「シッタカ」)。「コショウダイ」や「スズキ」、「ガザミ」などなど旬の魚も勢揃いでした。
オトト。

20120617_misaki6.jpgそして、ここが今までの魚市場と一番異なるところがコチラ。販売に際してセリは行われず、100%入札にて商売が成立。入札の受付、処理を行うカウンターの廻りには常に人だかりがあり、皆さん、この黒板に注目しております。入札による販売は、8:00から行われ、その日の水揚げ量に応じて黒板も更新されます。20120617_misaki7.jpg当然、魚が多い日にすべてを処理するには、かなりの時間を要する事になるようですが、皆さんそれには慣れているようで、一回一回の入札が終わるとサッサとセリ場の魚(活魚)は回収され、次の魚がテキパキと列ぶ事になります。
ホイサッサ。

この日は魚が少なく、落札できた魚も少なかった(「メダイ」が一本!)ので、その後の作業はほとんど無いようなものでしたが、これでダンベ一本(約500キロ〜1トン)でも買えた日には、その箱詰め作業やら仕分け作業が大変になるわけです。

って実は、それらの作業が終わってから、出来上がった荷物をトラックに積んで小田原へ帰るのが一番大変だと皆が口を揃えて言いますが。
ブーブー。

それにしても様々な販売手法や取引の概要を見学し、異なる鮮魚の取り扱いや商売に絡んだ多角的な視野を養うとともに、たまには空気の異なるアウェイで仕事するのも新鮮な気持ちになれて良いものだと思うのでした。

それに、三崎の朝市行くだけでも価値あり、これからも機会を見つけて邪魔しに行こうと考えた。
さて、帰り道。近所だからとルーシー・ブラックマンの現場を見に行きつつ、案の定、帰路には逗子から江ノ島にかけての渋滞で辟易。長い道のり、商売になるならないを問わず、いかに充実して過ごすかも一つの鍵になると思いました。
ラベル:ネタ 遠足
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2012年06月08日

ブリとヒラマサの見分け方

201206_waramasa.JPG
ドーン!!

どちらが「ブリ」でどちらが「ヒラマサ」でしょうか?

見た目にもよく似たこの2種の魚。
同じブリ科に属する魚の中でも、色合いといい、形といい、特に似ています。
プロでも見間違えることがあるというこの2種類、もっとも単純に見分ける方法は、口角にあたる部分の形であると言われます。

目玉の下の部分、口角にあたる箇所が見た目にほぼ直角に曲がっている方が「ブリ(ワラサ)」で、丸く弧を描いている方が「ヒラマサ」と判別できます。

ヒラマサ 201206_hiramsa.JPG


ブリ(ワラサ)201206_warasa.JPG


他に見分ける方法としては、ヒラマサの体を縦に走る縞模様が黄色みが強く太いとか、ヒレが全体に黄色みを帯びるや胸ビレの形(若干上向き)、または腹ビレの位置(胸ビレ後端より後ろにズレる)などポイントは各所にあり、自信がない時はそれらを総合して判断することになる。

とはいえ、ある程度の経験を積んだ者ならば、魚市場に並ぶ際、選別の時にはいちいち比べてられないので、多くの場合一瞬の見た目で判断できるようになると思います。
ラベル:見分け方 地魚
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2010年09月08日

カマスの活け締め



全国的にも珍しい活魚のカマス(ヤマトカマス=ミズガマス)を活け締めにして販売する幻の流派が存在する。
「住みたい街No.1」に密かに伝承され受け継がれ、ファンを集めている地魚専門店がある。

洗練且つ熟練のその腕は、活きたカマスが自らの死を悟らぬうちに、捌かれ、食卓に並ぶという名人技を見せてくれる。
頭部に入れた包丁も鮮やかに、鮮血はほとばしり、尾部の入刀で一気に失血。さらに神経を破壊することで、死後硬直は極限まで延長戦。当然、延長料金はいりません。
最後にカマス自体の発する熱を抑えてやれば、身質は安定、鮮度は抜群。
活け締め絶対主義者なら恐悦至極で悶絶するであろう。

活け締めにされたカマスは、普通のカマスと数段異なる食感を見せてくれます。
淡泊な中にも閉じこめられた甘みと身の弾力が半端ではなく、今までにないカマスの味わい方を教えてくれます。
さあ、あなたも活きたカマスを手に入れたら是非やってみよう!
目から鱗、首から神経が落っこちること間違いなし!

お店の紹介はコチラ
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2010年08月17日

小田原 カサゴ図鑑

小田原魚市場 カサゴ図鑑




標 準 和 名
漁獲量味評価相 場

kasa03.jpgイズカサゴ
★★★★★★★★★

kasa01.jpgカサゴ
★★★★★★★★

kasa02.jpgオニカサゴ
★★★★★★★★

kasa04.jpgウッカリカサゴ
★★★★★★★★
 
kasa05.jpgユメカサゴ
★★★★★★

kasa08.jpgアヤメカサゴ
★★★★★

kasa06.jpgフサカサゴ
★★★★

kasa07.jpgヒオドシ
★★★★

kasa09.jpgアカカサゴ
★★

kasa10.jpgミノカサゴ
★★

kasa12.jpgサツマカサゴ
★★

kasa11.jpgヒレナガカサゴ

他に水揚げ実績があるのは「コクチフサカサゴ」、「イソカサゴ」、「セトミノカサゴ」など。

釣って良し、食べて良し、触ったら危険ということで、一般的に美味しいと言われる「カサゴ」の仲間ですが、それじゃあ一番美味い「カサゴ」はどれだ?一番高価な「カサゴ」はどれだ?一番危険な「カサゴ」はどれだ?という疑問についてですが、アバウトな評価を上の表で「★」の数で表してみました。

分類学的に言うと、フサカサゴ科の魚として各種「メバル」や「ソイ」、「アコウダイ」など多くの種類も含まなければならないのですが、基本的に小田原魚市場に水揚げされ、普通に漁師さんや魚屋さんから「カサゴ」と称される魚に限定いたしました。
こうして見ると多くの「カサゴ」の体色が赤いことに気がつきますね、光りのまともに届かない海の深場では、この赤が立派な保護色になるのです。

「カサゴ」の仲間は海底の底を這うように泳いだり、石の間にジッとしていたりと海の下層にいる魚ですので、水揚げの主となる形態は「定置網」よりは、「刺し網」や「一本釣り」となります。ただ夜行性ですので、夜間に海中を泳いだ「カサゴ」がたまたま「定置網」に入り込んで、獲れることもあります。
さらに特徴として貪欲な魚であり、餌さえ目の前に垂らせば必ず釣れる魚として、「釣り」の対象として人気があります。特に「ロックフィッシュ」と称される「根魚」の代表格で、岩場でのカサゴ釣りは、最も簡単な海釣りの一つとも言われます。

多くの「カサゴ」が冬から春にかけて旬を迎えますが、一年中水揚げされ、一年中人気のある魚です。利用は、刺身、煮付け、唐揚げ、そして鍋物など多様な料理に向いており、その上品な味から大変人気のある魚です。

一般的に「ヒラメ網」に掛かる「イズカサゴ」が最も美味しいとされ、人気があります。さらに鰭のトゲが太く、毒も強いため、かなり危険な魚として、漁師さんが常に警戒する魚でもあります。その為、一部の漁師さんが「イズカサゴ」を「オニカサゴ」と呼ぶ事の所以と考えられます。さらに釣りの対象としても専門の釣り船が出るほどで、網に掛かるよりも大型が釣れるとして人気があり、一般的には1キロを超えると大物とされます。

そして普通の「カサゴ」は、「オニカサゴ」と同等に販売され、「イセエビ」や「サザエ」獲りの網にも掛かることから、最も一般的であり、最も経済的に「カサゴ」の美味しさを楽しむことのできる魚と言えます。
「ウッカリカサゴ」や「ユメカサゴ」は、「アカムツ」や「オオメハタ(シロムツ・シロメダイ)」の外道として釣れる魚であり、普段は深場にいます。数は少ないですが、底堅い人気に支えられ、必ず一定以上の価格はする定番魚であると言えるでしょう。

その他は魚市場では少数派とされますが、やはり「カサゴ」として扱われる以上、それなりの評価を持って取り扱われます。

例外は「ミノカサゴ」で、他の「カサゴ」とは異なり遊泳する範囲が広いのか、唯一「定置網」にまとまることもある「カサゴ」と言えますが、ただ外見の派手さ(毒々しさ)とヒレの毒が嫌われるのが難点であり、ごく一部の人にのみ愛されるマニア向けの「カサゴ」でしかありません。身は水っぽいと言われ、主に唐揚げなどに利用されるようです。

H22.08.26 サツマカサゴ追加
posted by にゃー at 16:28| Comment(2) | TrackBack(0) | 魚市場豆知識・資料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月03日

2010年6月 小田原アジ図鑑

小田原魚市場アジ図鑑2010



漁 場
値段

201006aji_a.jpgA漁場
★★★★★★★★

201006aji_b.jpgB漁場
★★★★

201006aji_c.jpgC漁場

201006aji_d.jpgD漁場
★★★★★★★★
 
201006aji_e.jpgE漁場
★★★★★★

201006aji_f.jpgF漁場
★★★★★★★★


相模湾各地の漁場から小田原魚市場へ水揚げされた「アジ」。
ここへ来て急激に水揚げを減らし、多くの方が危機感を持っているところへ来て、こりゃイカンということで今朝獲れた各漁場自慢の「アジ」を撮影致しました。

どの「アジ」が、どこの漁場の「アジ」だか貴方には判りますか?また、どれが脂が乗っていて旨い「アジ」だか判りますか?
これが判るようなら、「小田原アジ検定1級合格」。もう貴方は「小田原魚市場鮮魚買受人の免許皆伝」として、魚屋を開業しても立派に目利きとして商売を成功させることでしょう。

ちなみにサンプルは、次の漁場より拝借いたしました。
「米神漁場」、「二宮漁場」、「岩漁場」、「小田原沖釣り」、「小田原沖釣り(イケス内一泊)」、「平塚漁場」です。

どれがどれとは申しません(一部名札入りもあります)が、どれも特徴を持った魚となっております。本来なら、それぞれを食べ比べて、「アジの味」の評価もしたいところだったのですが、残念ながら水揚げ減少のため、その余裕無く、仕方なく「脳内おすそわけガム」を作動させ、伝わってきた味覚をシミュレート。・・・「なめらかな、舌ざわり。さわやかな歯ごたえ。」 シャクシャク 「すばらしいかおり。」 云々・・・。散々味わい尽くした結果、上の評価を下すに至りました。
この資料は、あくまでも個人的見解ですし、価格も本今朝のセリ値の相対評価でしかありませんので、眉唾の参考資料として一瞥して頂ければ充分の価値でしかありません。

「アジ」の善し悪しを識別するコツは、魚の色・ツヤ、腹周りの形、肉付きはもちろんの事、漁場によっては「黄アジ(根付きのアジ〜脂があると言われる)」が多いとか、「黒アジ(回遊性のアジ)〜細長く痩せた魚が多い」が時期によって多くなるなどの特徴を把握し、実際に獲れた魚を評価(漁獲の多いときは早くに水揚げした魚と、終わり頃に水揚げした魚では鮮度で大きく違う事とが多い。また、漁獲された魚の組成によっては、水揚げ時に傷が付いてしまったり、処理に時間がかかるなど鮮度的に問題が生じる)してからでないと、これは当たりの「アジ」だとか、外れの「アジ」といった結論は出せないと思います。
まさに一日一魚。その日に獲れた魚は、その日にしか拝めない魚であり、その評価はそれを食した者だけの出来る特権なのかも知れませんね。
posted by にゃー at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚市場豆知識・資料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする