魚体中骨抜き器販売中

2025年06月14日

イソカニダマシ

2025_damashi.jpg
魚市場に現れた奇妙な詐欺師?
「イソカニダマシ」にご用心!

今朝の小田原魚市場に、見慣れない「顔」が姿を見せ、一部のベテランも「初めて見たなあ」と首をひねっていました。

一見するとカニそっくり。
横に歩き、カニのような甲羅を持ち、何よりもそのアンバランスなほど太く、異様に見えるハサミに目を奪われます。

しかし、この見た目に騙されてはいけません。
カニのようでカニでない、ヤドカリには見えないが実はヤドカリの仲間という、まさに「化かし」の名手。

その正体は、ヤドカリの仲間に分類される「異尾類」の生き物です。
大きく見えるハサミに反して、小さすぎて「食べられない」
そう、見た目と中身が大きく異なるのです。

さらに、その脚は前後にも器用に動くことができ、海岸を行き交う姿はまさに詐欺師のごとく巧み。
決して本物のカニではありませんから、もし市場で見かけても「騙されないで」と声を大にして言いたくなります。
市場でイソカニダマシの見た目に騙されないように、日常生活でも「おかしいな」と感じたら、まずは立ち止まってください。

「もしもし、俺だよ、俺!」 → 慌てて返事せず、一旦電話を切って、本物の家族に電話をかけ直して確認しましょう。
「急いでお金が必要なんだ!」 → どんなに切羽詰まった状況を装っても、すぐに振り込んだり、現金を渡したりしないでください。必ず誰かに相談を。
「あなたの個人情報が漏洩しています」 → 不審なSMSやメールのリンクは、絶対にクリックしないでください。
魚市場で目利きを磨き、どんな魚にも騙されない人だからこそ、見慣れない「詐欺」にも冷静に対処できるはずです。不審な電話やメール、訪問者にはくれぐれもご注意を。何か異変を感じたら、すぐに警察相談専用電話「#9110」や家族に相談してください。

イソカニダマシが私たちに教えてくれたように、見た目や言葉に惑わされず、本質を見抜く力が、現代社会でも魚市場でも重要です。
.
posted by にゃー at 15:46| Comment(0) | TrackBack(0) | ギョッ!魚だらけの水泳大会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年06月12日

ホウキハタ

2025_nimbus2000.jpg
魔法の世界の
競技用箒といえば、
「ニンバス2000」

箒に乗ってやって来た
ちょっとチャームな女の子といえば、
「魔法使いサリー」

そしてかつて、
小笠原からよく届いた
謎の魚といえば・・・
「ハロー」

フタを開けると現れたのは、
「なんで“こんにちは”やねん!」
とツッコミたくなるその魚体。

輝く金色をベースに、
力強く弧を描く鮮やかなライン。

どこか南の海のアクセントをまとった、
中型サイズのハタの仲間です。

その名は 「ホウキハタ」。

その模様が
ホウキで掃いた様に見えるから
名前が付いたとか、
嘘か本当かわからない、
微妙さが憎い。

小田原では、
たまに刺し網で
顔を出す程度の出現率。

スーパーレアとまでは言いませんが、
「おっ、今日は当たりかも?」と
ちょっと気分が上がるタイプのサプライズ枠。

時折、その斜めに入った太いラインに
「クエ!?」と心がざわつくこともしばしば。

「ホウキハタ」のくせに、
やけに堂々とした存在感を放ってきます。

ちなみに、色味や模様が
イヤゴハタ」に
似ていると言われますが、

「イヤゴ」の方は出現率がさらにレア。

なので、
見かけたらとりあえず「ホウキハタ」
もし間違ってたとしても、
それはそれで話のネタになります。

それにしても
もしもこれが、毎日毎日
コンスタントに水揚げされるようになったら?

こりゃもう驚きの連続
「びっくりびっくり BIN!BIN!」ですよ。

いつか「ホウキハタ」が、
ホウキに乗って魚市場に舞い降りてきたら
「こんにちは(ハロー)」と挨拶してみたいよね
.
posted by にゃー at 17:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ギョッ!魚だらけの水泳大会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年06月03日

タカベ

20250603_takabe.jpg
5年前の今日、
中部国際空港に降り立った
「世界最大の飛行機」と言いえば

「アントノフ 225 ムリーヤ」

あれが最後の日本への飛来になるとは
誰が思ったでしょう。

あの巨体が無くなった日、
それはウクライナの誇りが失われた日。

それは戦争の始まった日でもありました。

そんな思いを馳せていた今朝、
下田から届いた魚の中に、
まばゆい金色に鮮烈な青色のボディ。

まるでウクライナ国旗のような
「タカベ」が、
まるまると太って並んでおりました。

「タカベ」は塩焼きが最高
食べやすく、旨味があり、軽いのに脂がある

「アジ」と「イサキ」と「イボダイ」を足して
3で割って1.5を掛けたような味

聞けば小田原に並ぶのは
3年ぶりとか。

アントノフはウクライナの空の宝。
タカベは下田の海の宝

どちらも貴重な存在に変わりなし

次いつ来るかわからない
だからこそ
あったときに買う

人生は後戻り出来ない

次は無いかもしれないのだ

.
ラベル:地魚 定置網漁業
posted by にゃー at 19:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ギョッ!魚だらけの水泳大会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月27日

ドジョウ

202505_dozen.jpg
流石に、海でドジョウは獲れません。
※「ウミドジョウ」はまた別の話
近縁の「シマイタチウオ」はコチラ。

それでも魚市場で、
時おりビニール袋に入った
「活きたドジョウ」を
見かけることがあります。

勢いよく袋の中を泳ぎ回るその姿に、
季節の移ろいを感じるのは、
きっと私だけではないでしょう。

梅雨を迎えるこの時期、
ウナギよりも一足早く旬を迎えるのがドジョウ。

昭和世代にとっては、
イルカやクジラと並んで、
どこか懐かしい味でもあります。

産地は“中国産?”という話もありますが、
小田原の人間にとって、
ドジョウはもっと身近な存在でした。

たとえば、小田原市を中心に流れる酒匂川。
その流域はかつて水田が広がり、
農業用水路が網の目のように張り巡らされていました。
ウグイやオイカワと並んで、
ドジョウは川遊びの定番ターゲット。

「ドジョウ捕るならザルをくれ!」
なんて時代もあったほどです。

いまは宅地造成や減反の影響で水田も減りましたが、
酒匂川水系には、
今なお緩やかな流れを好むドジョウにとって
良好な環境が一部残されています。

「せせらぎ水路」など自然を活かした水路整備も進み、
ドジョウをはじめ多様な魚たちがひっそりと息づいています。

もっとも、現在は保護活動が進んでおり、
かつてのように自由に捕まえることはできませんが。

そんな背景もあり、
小田原では意外とドジョウの需要が根強いのです。

202505_shop075.jpg
ナマズ釣りやコイ釣りの餌としても使われますが、
特に国府津小八幡にある某店では、
常時ドジョウを置いているとのこと。
その理由を聞けば、
なんと海岸でドジョウを針につけて
ヒラメを狙う釣り人のニーズにも応えているそうで……

さすが小田原、海も川もこなす
「魚の街」の面目躍如という所か。

もちろん、釣りだけではありません。
今でも柳川鍋や蒲焼きにして食べるという人もいて、
懐かしい味を求める声は今なお健在です。

もし、あの味がふと恋しくなったら・・
ドジョウを買いに、店を訪ねてみてはいかがでしょう?

最後に店主談
「ドジョウ買うなら、金をくれ」
.
posted by にゃー at 18:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ギョッ!魚だらけの水泳大会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月24日

ハリダシエビス

2025_0524_120618_005.jpg
小魚が増えてくると、
こんな魚も混じってくる。

今朝、
水揚げの中に
混じっていたのは
5センチにも満たない
小さな一尾。

「なんか変」
と思って手に取ると

「ハリダシエビス」
だった。

毒こそないが、
チョコッと
生えてる棘が
まるで凶器。

思わず
「掲示板に
張り出しておこうか」と
一瞬よぎったが、

さすがに
趣味が悪いので
やめておいた。

え?
今更遅い?

ただし
この手の魚が
旨いことを知っている
.
posted by にゃー at 18:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ギョッ!魚だらけの水泳大会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月16日

超特大ゴマサバ


今朝は、
忘れられない魚に出会いました。
20250516_bigestsaba.jpg
ひと目見て
「これはサバなのか?」
と立ち止まるほどの迫力。

確かに
形は「ゴマサバ」

しかし
スケール感がまるで違う。

もはや
「大きい」では足りない

「巨きい(おおきい)」

と書いて
“特別感”を出さねば、
このサバに対しては
失礼だと思えました。

通常のサバが
せいぜい30〜40センチ
重さにして700gもあれば
上物と呼ばれる中、
こいつは堂々の2.3キロ。

一本釣りで現れました。

これまで魚市場で見た
定置網の限界と言われた1.7キロ
のサバを35%も上回る
まさに記録級の巨体

サバというのは、
ある程度の大きさを超えると、
もう「長さ」では語れません。

太いんです。

何というか、
むしろ横に育つ。

まるで
「マグロ」か「ブリ」の
縮尺版を見ているような
錯覚すら覚えました。

一見して
「サバではない何か」に見えるこの魚。
どこからどう見てもサバなのに、
違和感がぬぐえない

逆に、
「ここまで育つ可能性を
持っている魚だったのか」と
驚きと感動を隠せませんでした。

こうなると、
次は幻の3キロ台を
目指したくなるのが人情です。

いや、そんなの存在するのか?
と笑われそうですが、
今朝の一尾を見てしまった今、
もはや夢ではない気がしてきました。

「ドリームジャンボ」
ただいま発売中
です
って、宣伝かよ!
.

posted by にゃー at 17:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ギョッ!魚だらけの水泳大会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする