昔の漁師の話やと、よう言うてましたわ。
「ひもじい、寒い、もう獲れん」
不漁ちゅうのは、この順番で来るんやて。
腹は減るわ、海風は冷たいわ、
ほんで最後には網あげても魚がおらん。
そらもう、笑うしかない世界やったそうですわ。
せやけどな、今はちゃいます。
いま河岸で聞こえてくるのは、こんな調子や。
「まんぷく、暖かい、じゃんじゃか獲れる」
これやこれ。
景気のええ春の合言葉や。
今朝なんか見てみぃ。
「小アジ」に「小サバ」、それに「小イワシ」まで、
網あげたらポロポロポロポロ、ぎょうさん入ってくる。
別にけったいな事やあらへん。
春の海いうのは、だいたいこんなもんなんや。
魚市場のオッサンらの顔もゆるみっぱなしやで。
「今日は忙しなるでぇ」言うて、朝から威勢がええ。
さあて、明日はどうなるやろな。
この流れやったら、まだまだ大漁の気配ぷんぷんや。
魚たちも遠慮せんと、どんどん来たらええ。
来たってや〜〜
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