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2026年03月07日

魚市場に憧れるのをやめろ

20260307.jpg


「憧れるのをやめましょう」
そんな言葉を、誰かが
ぽつりとつぶやいた朝がある。

春の海は、見た目ほどやさしくない。
穏やかな日もあれば、強い南風が吹き付ける日もある。
嵐が来れば網を揚げられない日だってあるのだ。
そんな朝は魚市場も静かになる。

それでも海は、ちゃんと準備をしている。

相模湾の魚たちは、春になると沿岸へ回遊し、
「小田原アジ」や「ワラサ」、「小ダイ」といった群れが入り始める。
この海では定置網でそれらを待ち受けるのが昔からのやり方だ。

ただし、海は約束をしてくれない。

今日は少ない、だとか、
風に阻まれ休漁、だとか・・・

毎日ヒーローになれる場所だと思ったら、
きっと肩透かしを食うだろう。

しかし、だからこそ良い。

静かな日があるから、
海が本気を出した時、
その一発が光る。

ある春の朝、網を揚げる。
すると突然、状況が変わる。

202603_kodai.jpg「アジ」が網に光り、
「ワラサ」が渦を巻き、
「小ダイ」が海の色を変える。

網は重く、船は傾く。
港に戻る頃には、
船の者、港の者、陸の者、皆が笑顔だ。

それはまさしく
ここぞという場面で放つ、
満塁ホームランみたいな大漁だと言える。

毎日がヒーローじゃなくていい。
その一振りのために、
静かな日がある。

だから魚市場に
「憧れるのをやめましょう」と言うのだ。

その代わり、
海を信じて待てばいい。

もしかしたら
来週こそ

魚市場の天井まで届く
特大の一発が飛び出すかもしれない。
.
posted by にゃー at 19:04| Comment(1) | TrackBack(0) | 小田原魚市場日報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
かすみ目?
Posted by ピント? at 2026年03月07日 20:45
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